侍フォトグラファー

高橋正敏

スタジオ撮影中に撮られた一枚。

手袋をした両手の構え、

後ろ姿ではあるが、

ブツを横目に中腰でユポにあたる照明の具合を

真剣ににらむ姿が侍みたい。

侍フォトグラファー、いい響きだ。気に入った。

しかし、この侍は江戸時代の士農工商の宮仕えの士ではない。

その前の戦国時代の侍でも、鎌倉時代の侍でもない。

あえて言えば、黒沢映画の三船敏郎ふんする素浪人か。

寄らば切るぞ、ならぬ

寄らば撮るぞ。

いやいや、こちらから寄って行って、スパっと撮るのが

侍フォトグラファー!